ゲノム解析で『
オオカミは犬の祖先ではないと判明』というネット記事は去年の今頃。
犬も狼も“オオカミっぽい”イヌ科の生物から進化した。その方が私はシックリきます。
ゲノムよりも衝撃を受けたのは最近栗栖さんに借りた『動物が幸せを感じるとき』です。
著者のテンプル・グランディン女史は自閉症でありながら優れた動物学者であり畜産業界においても様々な活躍をしている ※犬の不安を抑える「サンダーシャツ」は圧力療法とかボディラップといわれ彼女が開発した家畜の締め付け機を応用したものです。 | 動物が幸せを感じるとき』 | 『動物感覚』 |
野性のオオカミの群れには強くて支配的なボスなどいなかった!L・デヴィッド・メック博士が13年間オオカミを研究した結果、
野性のオオカミは群れでは暮らさず、優位を維持するために他のオオカミと戦うアルファ(階級第一位)のオスなどもいない。野性のオオカミは人間のように家族単位で暮らし、メンバーは基本的に両親と子ども。親や兄妹とは交尾しないし優位をめぐって子が親に挑むことなどない。
そんなの聞いてないよ~~~!!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
ではなぜオオカミの群れは強いボスが率いる階級社会だと言われてきたのか!?
野性ではなく人間に飼育されているオオカミで研究したから
…( ̄▽ ̄;) ガーン
つまり人間の飼育下の雑多なオオカミたちだけがボスがいる階級制の群れを作るということで
本来は立派な父ちゃんと、たくましい母ちゃんと、賢い子どもたちのファミリーで一致団結!
絶対君主のボスも、密かにその座を狙うナンバーツーも存在しなかったんですね~

画像は
こちらを転用
となると
「
狼のボスのように飼い主は強いリーダーであるべき」という訓練法が揺らぎますね。
シーザー・ミラン氏のように影響力が大きなトレーナーもいます。
私もシーザーに傾倒していたし、今でも彼の訓練法が全て間違っているとは思いません。
テンプル女史もシーザーの”犬心理学センター”のように、攻撃行動がある犬や血縁もないし犬種もバラバラな犬たちが一緒に生活するためには、シーザーが群れのリーダーになるとうのは賢明な方法だと述べています。
メック博士は、「狼を誤解していたために犬についても誤解していたことに研究者や訓練士が気づくには、まだしばらく時間がかかるだろう」と言っています。

一番白いのがパン粉
では、犬と人間の関係はどっちなんでしょう…
野性オオカミのような「家族」で、飼い主は父ちゃん母ちゃん?
飼育オオカミのような「群れ」で、飼い主は強いボス(アルファ)?
テンプル女史は、犬に必要なのは親だが、リーダーになる必要もあると言っています。
ただその理由は飼い主がリーダーにならないと犬がアルファになってしまうからではなく、
「人間の親が子どものリーダーになる必要があるのと同じことだ。飼い主がきちんと育てている限り、犬が飼い主をアルファと思っているのか親だと思っているのかは問題ではない。」
つまり犬がどう見ているかよりも、飼い主のイメージが優しくて毅然とした母オオカミであればOK!
けっして威圧的でちゃぶ台をひっくり返す父オオカミではないということですね~(^・^)

抱きつくパン粉
そもそも犬は狼じゃないし人間と暮らすように進化してきた動物です。
遺伝的にみて犬は未成熟な狼だそうで、例えれば一生狼幼稚園の園児みたいなもの。
だから人間の幼児のように扱えばよいらしい(?)
テンプル女史の『動物感覚』という著書から抜粋してみます。
「犬は人間とともに暮らしてきた長年の間に、人間の心を読み人間が何を考えていて、
どのように振舞うかがわかる能力を発達させてきた。
このことは犬をオオカミと比較した調査でわかっている。
オオカミは人間の手で育てられていても人間の顔を読む能力をけっして獲得しない。
飼い主に助けてもらえそうな状況でも、たいてい飼い主の顔を見ない。
犬は情報を得るために常に飼い主の顔を見るし、とりわけ助けが必要な時は見る。
犬が私たちの気持ちを読むことを学んできたように、私たちも犬の気持ちを読むことを学んできたのだろう」
攻撃性や訓練についてなどまだ紹介したい内容がありますが、後日アップできたらと思っています。
◆ブリタニーは野山で雉を探す猟犬です。